議会報告

未来へ、4つの提言(市長要望提出)

 謹んで新春の寿ぎを申し上げます。

 昨年は、2期目の折り返しの年。所属会派の丹政会(新人2名と元議長を含む4名の自民党議員で構成)の代表を拝命しました。9月定例会では、議会基本条例をはじめ、政務活動費条例、定員定数条例などを検証し、議会改革を進める議会改革特別委員会の委員長を拝命することとなりました。

京丹後市議会の目指す議会は、

① 市民に開かれた議会

② 市民参加を推進する議会

③ 市民に身近な信頼される議会

議会改革は、こうした理想とする議会の実現に向けてPDCAを回す議会の取り組みです。

 議会の一端を担う者として、未来を見据えた視点にも配慮し様々な提言を行って参ります。皆様のご指導ご鞭撻賜ります様、よろしくお願いいたします。

 

 

国は、今後の検討課題として、個々の市町村が行政のすべてを単体で担わなければならないという考え方を廃止し、組織間で有機的に連携するための方策づくりや、都道府県・市町村の2層制の柔軟化、業務プロセスの標準化・共同化などを挙げ、2040年頃の自治体の姿は、サービス・プロバイダーからプラットフォーム・ビルダーへと転換、住民が自らの意思で戦略的に構築など、自治体行政そのものが大きく変わるとしています。また、高齢・人口減少社会を見据え、生活圏に小さな拠点を形成し、ネットワークで周辺と繋ぐ「コンパクト・プラス・ネットワーク」という都市計画の考え方が示されています。

 本市でも、総合計画5つの重点項目など、様々な政策を展開しています。

地元有効求人倍率 0.98倍(H26) → 1.53倍(H29)

農業新規就業者数  15名(H26) → 39名(H29)
                   ※Iターン13名、Uターン15名、市内11名

漁業新規就業者数   9名(H26) → 49名(H29)
​                   ※自営型10名、雇用型7名

観光入込客数   176万人(H26) → 218万人(H29)

宿泊者数     35万人(H26) →  35万人(H29)

など、地域の経済状況は好転し、一定の成果も得ています。しかし、介護・福祉をはじめ、建設業、製造業などでも人手不足が新たな課題として現れています。一方で過度な東京への人口一極集中や働き方改革なども相まって、地方への関心が高まり、政策的にも地方への移行が始まっています。今後は、高速道路の延伸効果などインフラ整備が進み、テレワークの導入などで多くの仕事が、京丹後市でも可能になります。

 前例踏襲的な考えや既成概念に囚われるのではなく、技術革新や価値観の変化など、社会の変化に対応することで、人口減少に歯止めが掛かり、子どもたちが将来帰ってくる京丹後市を目指していきたいと考えています。そうしたことから、丹政会で毎年行う市長要望についても、国の動向や社会の変化も踏まえた新たな価値観で、次の4項目で行いました。

平成31年度市長要望
平成31年度市長要望

① 政策の優先順位とプライマリーバランスの堅持
② 未来を展望した子育て支援と教育環境の充実
③ 「観光のまちづくり」の推進に向けた組織体制の充実
④ 高齢・人口減少社会を見据えた新市役所の検討
(詳細は後述)

 政策の優先順位をつけてプライマリーバランスを堅持することを財政運営の基本としたうえで、様々な政策を効果的に展開する必要があります。いづれの政策にも、人口減少に歯止めを掛ける要素が不可欠です。

 「小中一貫教育」や郷土愛を育む「丹後学」、本市の豊かな食材を活かした食育など、他市に先駆けた取り組みに加え、地元の民間人材を教育の現場に登用するなど、地域に開かれた学校運営で、「京丹後らしさ」を織り込み、市内外に発信することが「京丹後で子育てしたくなるまちづくり」につながるのではないかと考えます。

 さらに「まちの魅力」を効果的に発信できるのは観光ではないかと考えています。しかし、既存の観光協会では、旧町域毎の「観光」への意識の違い。人材が定着しない状況など、十分に機能していません。一般的な史跡名勝を回るだけの観光ではなく、京丹後の農業や漁業、地域の産業も含めて、日々の暮らしが魅力的であること。丹後を訪れると「人生が豊かになる」そうした仕掛けを事業者が主体的に取り組めるようなマネジメント力や体制整備が重要にまります。

 今の庁舎再配置は、「箱」としての庁舎をどうするのか、というものです。当然、既存施設を庁舎として活用することは、負担軽減や、空き施設の利用の観点からも否定するものではありません。しかし、合併以来「市民局機能を含めた将来の市役所の在り方がどうあるべきか」という課題は、議論されないままです。冒頭にも書きましたが、2040年頃には自治体の在り様が今とは大きく変わっているかもしれません。高齢・人口減少社会に必要なパラダイムシフトを見据え、将来的な新市役所の在り方について調査研究し、新たな方針を示す必要があると考えています。

 人口減少に歯止めを掛けることは必要不可欠であり、一定の人口を維持することでに生活圏を形成することができます。ところが、これまで公共投資を控え、リーマンショック以降、製造業でも技術者を育成することが難しい状況になってしまった。その結果として豪雪や豪雨災害に対応できる企業や人材を失い、「京丹後には仕事がない」という先入観が広まり、若い人達が帰って来ない状況が続き、地域が疲弊する悪循環が起きているのではないでしょうか。行政として、公共投資など一定の将来見通しを示すことで、地元企業が人材育成のための雇用意欲を喚起する必要があると考えます。そして、市民一人ひとりが「まちの魅力」を再認識すること、それを子ども達に伝え、そして発信することで、人口減少に歯止めを掛けることができるのではないかと考えます。

 子ども達が都会に夢見て京丹後を離れることは自然なことですが、多くの子ども達が「いつか故郷の役に立ちたい」という気持ちを持っているのも事実です。わが子には「いつか帰って来い」と言って欲しいと思います。自戒の念を込めて。

 

市長要望【概要】

  1. 政策の優先順位とプライマリーバランスの堅持

厳しい経済状況の中、税収の減少は避けられない。限りある財源を効果的に配分するために、政策の優先順位が明確にして、メリハリのある予算編成と、「改革」から「経営」へ軸足を移した新たな行政経営が必要である。

喫緊に必要となる政策を確実に進める上でも、事務事業の廃止や縮小を次の視点で積極的に検討されたい。

① 既存事業をゼロベースで再検討。         (必要性)

② 行政が行う役割は終了していないか。     (公共性)

③ 効率、効果、範囲の適正化の追求。       (適正化)

地方交付税の逓減など、自主財源の乏しい本市にとって歳入確保は難しい課題である。

国・府からの支出金については、新しい制度や緊急対策など変化のめまぐるしい状況であるが、情報収集に努められ、制度を熟知した上でしっかりと活用され、市役所一丸となって歳入の確保に積極的に取り組んで頂きたい。

  1. 未来を展望した子育て支援と教育環境の充実

未来を担う子ども達は本市の宝であり、本市が目指す「子育て環境日本一のまち」の実現には、子育て・教育の支援や環境の充実が重要である。

学校教育においては「生きる力」の育成を進めているが、学校・家庭・地域の連携は十分とは言い難い。教科化される英語、必修化されるプログラミング教育において民間の登用なども検討、地域の優れた資源である人材を教育現場に取り込むなど、門戸を広げることも必要である。

「小中一貫教育」や郷土愛を育む「丹後学」、本市の豊かな食材を活かした食育など、本市にしかできない特色ある教育は、引き続き進め、国が極めて重要と位置づける環境教育についても、他市に先駆けた取りくみをしていただきたい。

子育て・教育の充実に「京丹後らしさ」を織り込み、市内外に発信することが「京丹後で子育てしたくなるまちづくり」つながると考える。

  1. 「観光のまちづくり」の推進に向けた組織体制の充実

今や「観光」は国の基幹産業として位置づけられ、2020年のオリンピックを見据え、全国的に様々な取り組みがなされている。本市においても、持続的な経済発展のための京丹後市観光立市推進条例のもと「旬でもてなす観光のまちづくり」を掲げ、様々な政策に取り組み、海の京都DMOとの連携で広域的な観光圏の形成が進められている。

京丹後市観光協会おいては、域内支部の「観光」への意識格差が大きく、課題解決に対するマネジメント能力の不足が顕在化、組織運営にも影響している。

本市の「旬でもてなす観光のまちづくり」の推進のためには、それぞれの地域の自主・自律性を尊重しつつも、市域全体としてマネジメントできるよう民間企業からの登用や職員派遣も含めて、京丹後市観光協会の体制を大きく見直す必要があると考える。

  1. 高齢・人口減少社会を見据えた新市役所の検討

国においては、AI・ロボティクスなどを活用する「スマート自治体」や公・共・私が相互に協力関係を構築する「プラットフォーム・ビルダー」など新たな自治体行政の基本的な考え方が示された。都市計画においては、生活圏に小さな拠点を形成し、ネットワークで周辺と繋ぐ「コンパクト・プラス・ネットワーク」が示された。

将来の新しい市役所の在り方については、本市単独ではなく広域的な地域の将来像、AI・IoTなどのイノベーションも踏まえ、検討されるべきであり、一部機能が重複する府の施設(広域振興局など)も同様とである。人口減少が著しい地域にあっては将来、更なる地域合併の可能性は少なくない。府と市が一体となり利便性の向上、公務の能率の増進を鑑み、合同庁舎の実現に向けて検討すべきであり、京都北部地域での地理的優位性が担保できるものと考える。

既存施設を庁舎として活用することは、負担軽減や、空き施設の利用の観点からも否定するものではない。しかし、市民局機能を含めた本庁舎整備をどうするべきかは課題である。さらに、高齢・人口減少社会に必要なパラダイムシフトを見据え、将来的な新市役所の在り方について調査研究し、新たな方針を示す必要がある。

 

2019/01/01 議会報告WEB版   管理者 谷津
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