議案審査等

令和4年度 京丹後市の市政運営に関する要望書を市長へ提出しました。

R4市長要望  新型コロナウイルス感染症が急速な拡大は、ワクチン接種等により沈静化したものの、感染力の強いオミクロン株の出現で予断を許しません。しかしながら、マスク・手指消毒をはじめ感染予防に取り組み経済活動を再開することも望まれています。一年を超えて続いた緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が地域経済に与えた影響は大きく、コロナの影響で傷ついた地域経済の立て直しは、喫緊の課題であり最優先事項であると考えています。こうしたアフターコロナの戦略的な政策による地域経済の安定を図り、中長期的には、魅力にあふれる京丹後、働きがいのある京丹後市を目指すことで、定住促進や人口減少対策に繋げていく。今回の要望は、これまでの要望を踏まえつつ、アフターコロナの戦略的な視点で、健全で持続可能な財政運営はもとより、誰もが安心して暮らせるまちづくりのため、私の所属する丹政会から「令和4年度 京丹後市の市政運営に関する要望書」を中山市長へ提出しました。

 

【要望事項】

 1.地域経済立て直し優先の政策と必要な財源確保

 2.災害に強い持続可能なまちづくりの実現

 3.未来を展望した子育て支援

 4.「生きる力」を育む、教育環境の充実

 5.助かる命を助けられる医療ネットワークの構築

 6.厳しい状況を乗り切るための経営支援の充実

 7.アフターコロナを見据えた観光地域づくり

 8.ブランディング戦略による高付加価値化と市民所得の向上

 9.地産地消型エネルギーの推進

10.庁舎施設の複合化並びに合同庁舎化の検討

 

以上、10点についての要旨は以下の通りです。


 

1.地域経済立て直し優先の政策と必要な財源確保

 コロナ禍で、税収の減少は避けられず、歳入確保の観点から、税・料の滞納・徴収においては、市民生活の困窮への配慮と共にも、公平性確保の観点から確実に徴収されるよう強く求める。また、合併以来、見直されていない公共施設利用料などは、消費税増税分や維持管理費を税金で負担している。受益者負担の適正化と公平性の担保の観点から早急な改善を求める。
 国・府における新しい制度や緊急対策など変化のめまぐるしい状況ではあるが、情報収集に努め、制度を熟知した上でしっかりと活用されたい。
第4次行財政改革にある「ふるさと納税」について積極的な活用や抜本的な拡充を図ることは、自主財源の確保として有効であることから目標額達成に確実に取り組んで頂きたい。他方で、得られた寄付額や返礼品等の経費が不明瞭であることから、特別会計や基金等で、一般会計予算と区分経理されるべきと考える。また、自主財源の乏しい本市にとって寄付金は、まちづくりのための自主財源として、地域が抱える喫緊の課題解決に優先して充てて頂きたい。
将来にわたる投資的事業においては、公共の福祉に資するかどうか十分に精査したうえで、民と官の役割と責任を明確にし、民間が行うべき事業の支援は補助金等で対応するなど、公民連携による協働のまちづくりを進めて頂きたい。
 市長のリーダーシップにより、市役所一丸となって歳入の確保に積極的に取り組むこと。歳出にあたっては、費用は市民から預かった血税であり、対する効果は公共の福祉向上であることを意識しつつ、コロナの影響で傷ついた地域経済の立て直しを最優先事項とした行政運営に取り組んで頂きたい。

2.災害に強い持続可能なまちづくりの実現

 日本海側国土軸を形成する山陰近畿自動車道は、本市における観光誘客や産業の発展を支える重要なインフラであると同時に、緊急移送道路として重要な役割を果たす。持続可能な社会資本の整備は、行政の最も重要な責務である。
 緊急輸送道路等のリダンダンシー(多重性)を確保する観点から、市幹線道路等の優先的な整備を確実に行うこと。また、救援救助・緊急物資等の輸送ルートを早期に確実に確保するための道路整備を着実に進めて頂きたい。
 河川の浚渫及び護岸整備は、農業や漁業などの一次産業を守るだけでなく、浸水による被害を軽減する観点からも重要である。府とも連携して河川の改修等の対策を重点的に実施し、一層の治水対策に努めて頂きたい。

3.未来を展望した子育て支援

 未来を担う子どもたちは本市の宝であり、子育て・教育の支援や環境の充実が極めて重要であることは言うまでもない。子どもの健全な成長には、家族の絆や愛情が不可欠であり、「父母その他の保護者が子育てについて第一義的責任を有する」という少子化対策における基本理念を踏まえ,親の育児を単に肩代わりするのではなく,親の子育てに対する不安やストレスを解消し,その喜びや生きがいを取り戻して,子どものより良い育ちを実現する方向となるような子育て支援を進めていくことが重要である。
 子育て支援については、子育て世代が安心して産み育てられるよう産前・産後支援の充実、仕事と家庭の両立の支援、中でも父親の育児参加のための一層の取組みが重要であり、地域や市民、団体、民間企業の協力が不可欠である。市全体で子育てを応援していく仕組みづくりが必要と考える。

4.「生きる力」を育む、教育環境の充実

 丹後学や丹後の食材を活かした食育、丹後の自然を活かした環境教育など、持続可能な社会の担い手を育む教育を通じて、丹後の子ども達に「生きる力」を身につけさせることは、我々大人の使命と考える。
 学校教育においては、新学習指導要領のもと「生きる力」の育成を進めているが、社会に開かれた教育課程の実現に向けた学校・地域の連携・協働は充分とは言い難い。地域の人的・物的資源の活用を一層進める必要がある。
 また、学校再配置計画については、適切な教育環境を維持することが、行政の責務として着実に取り組んで頂きたい。
 今後さらに進む人口減少、グローバル化、AIによる技術革新などで、仕事の在り方も大きく変わる。英語教育、プログラミング教育、ICT教育は、必須であり、惜しみない人的・財政支援をしていただきたい。

5.助かる命を助けられる医療ネットワークの構築

 本市において、常勤医師の不足は深刻な状態である。常勤医師の地域偏在の解消に向けた取り組みと併せて、かかりつけ医・かかりつけ薬局の周知活用や市立病院を中核とする医療機関ネットワークと地域包括ケアの構築に努めて頂きたい。また、老朽化が進む久美浜病院の在り方については、2つの市民病院及び5つの診療所並びに民間医療機関も含めた市内全域の医療体制を踏まえた検討が必要と考える。

6.厳しい状況を乗り切るための経営支援の充実

 コロナ禍で影響を受けた企業・個人事業主に対しては、国からの支援によるコロナ関連融資が実施された。本市の企業・個人事業主においても事業の継続や新たな投資がなされたが、自社の返済能力を超えた借入により急場を凌いだケースも少なくない。返済据え置き期間が過ぎたとき、既往の借入金返済に加えて、コロナ融資による新たな返済を行う必要があることから、事業が立ち行かなくなる企業が増加するのではないかと危惧する。
 また、為替相場、諸外国の購買力増加などによる輸入品をはじめとする原材料費、燃料費の高騰が企業の経営を圧迫してきている。市内企業や事業所等を守ることが、暮らしの基盤となる「働く場」の確保に繋がることから、市内の小規模事業者に対して厳しい状況を乗り切るために経営支援の充実を求める。

7.アフターコロナを見据えた観光地域づくり

 観光産業おいても同様に新型コロナによる影響が大きい。旅行客のニーズはコロナ禍において大きく変化し、それに伴って宿泊事業者をはじめとする観光事業者は、設備更新や販路の変更、感染症対策などを余儀なくされた。さらに、本市観光業の主力となる冬季において、輸入蟹、松葉蟹いずれの仕入れ価格も暴騰し、事業者の経営を圧迫している。蟹に依存する本市観光業において、非常に厳しいシーズンとなる気配がある。
 今後はアフターコロナを見据えた施策と同時に、刻一刻と変化する新型コロナの状況に柔軟に対応するための準備が求められる。

8.ブランディング戦略による高付加価値化と市民所得の向上

 本市の産業には、高い技術力と品質管理による機械金属製品や丹後産コシヒカリ、ブランド化された間人ガニや丹後ちりめん等がある。モノづくりや品質管理に対する京丹後人の真摯さは、本市産業における「強み」である。
 長期的なブランディング戦略は、交流人口の増加と共に、付加価値の高い産業育成に不可欠であり、市民所得の向上に資すると考える。また、人材育成にしっかりと取り組み、技術の継承はもとより、新しいものを生み出すための取り組みにも注力していただきたい。

9.地産地消型エネルギーの推進

 世界的な脱炭素社会の動きからエネルギー構造の変化が求められ、我が国においてはエネルギーミックスの転換が迫られている。
本市においても、再生可能エネルギーの導入並びに、再生可能エネルギーの地産地消を推進している。地域外に流出していたエネルギー代等が地域内に循環することで地域経済への好影響、さらには大規模災害時におけるエネルギーの確保が期待できる。このことから市民生活に配慮しつつ、ゾーニングの手法による「再エネ促進区域」の検討が必要と考える。

10.庁舎施設の複合化並びに合同庁舎化の検討

 市役所庁舎は重要な防災拠点であると同時に、広大な市域を抱える本市において、市民局は市民に身近な防災拠点として活用される。
 他方で、新型コロナウイルス感染症への対応から、ICT等を活用した在宅・分散勤務など、働き方が大きく変化するなか、職員WSにおいて、職員の視点ではICT等を活用した在宅勤務やテレワーク等どこでも仕事ができる環境づくり、市民の視点では家に近く様々な相談ができるワンストップの窓口サービスや生活利便施設との複合化により人と人がつながる場所になればと考えるとの意見がある。ICTを活用することで職員はどこでも仕事ができ、AIやRPAを活用することで経験を補い、業務が軽減する。
 働き方改革の一環として、市民に身近な場所へ職員を分散配置することは、災害時におけるリダンダンシーを確保するだけでなく、市民の安心の拠り所として緊急対応を可能にする。さらに、地域拠点として市民局を複合化することと合わせて、DXの推進により6市民局を総合窓口として機能させることは可能であり、さらに、市民の利便性の向上と京都府との連携強化の観点から、新庁舎建設時には京都府との合同庁舎化の検討を強く求める。

2021/11/25 議員活動   谷津 伸幸
≪ 丹後地域の風力発電事業に関する情報を追加しました     令和3年12月定例会で一般質問しました ≫

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