議案審査等

一般質問

令和3年12月定例会で一般質問しました

令和3年12月 一般質問

1.ふるさと納税の運用のあり方について

 京丹後市の予算規模は約350億円、ふるさと納税は令和2年度6億を令和5年度30億へ増やす公約を市長は掲げている。しかし、ふるさと納税が寄付金であり不確定要素が大きく、寄付金を当てにした予算編成はリスクも高い。ふるさと納税に関連した収支の見える化は必要です。

2.投資的事業のあり方について

 農家や水産事業者の収益向上にHACCP基準の加工支援が必要です。京丹後市では約1億5000万円を投じて食品加工工場の整備を計画しています。しかし、現計画は民間事業者のリスクを限りなくゼロにして、将来的な負担を税で賄うことになります。市内産業に必要なものであっても、受益者負担の原則は忘れてはならない。

3.総合窓口と職員の分散配置について

 これまで「効率化=集約」だったが、結果として「市民から遠い行政」となった。他方で、ゲリラ豪雨や激震災害などへの対応や過疎化等による地域力の低下など、広い市域の中できめ細やかな対応が求められている。コロナ禍でICTの活用が大きく進み、行政職員の業務はどこでもでき、AIやRPAを活用することで、職員の経験を補い、業務を軽減することが可能になる。職員が、市民に身近なところで、市民に寄り添った対応や業務にあたることで市民は安心感を得られる。

4.合同庁舎化の検討について

 将来の新庁舎について、都市拠点周辺での複合施設化あるいは、振興局等との合同庁舎化の可能性についての検討を求めたものです。例えば、農政をはじめ、予算の多くは京都府が担っています。一方、現場の状況は市が把握していることが多い。それぞれの業務内容を精査して、一体的に業務を行うことで、例えば、これまで重複していた書類の作成や管理が大幅に削減されだけでなく、業務がシームレスに行え、市民サービスの向上にもなる。マンパワーが不足する中で、将来を見据えた検討に着手すべきではないだろうか。

 

以上が、今回の一般質問の趣旨です。

 

一般質問[録画]

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2021/12/09 一般質問   谷津 伸幸

いよいよ、新議会が本格的に始まります

4月の選挙を経て、はじめての定例会です。

 市議会については、本年度より定数20名となり、新たに6名の新人議員を迎えます。さらに今回は、私も含め政党の公認・推薦をうけて当選したが過半数を超えました。「超党派で…」とは言うものの政党は「共通の政治上の理想・目的を持つ者」で組織されていることからも、議会での調整には困難が予想されます。今期前半の議会人事では、私は予算決算常任委員長を拝命することになりました。議会運営を円滑に進めるため議会人事は事前に全会派で調整されるのが通例です。しかし、今回は事前の調整と全く違う人事案が上程される事件が起きました。議員間の信頼関係を損う極めて遺憾な経過ですが、議会の議決として真摯に受け止め、職責を全うしたいと思います。

 一方、今回の選挙で、三崎市政から中山市政に変わしました。「独善的に政策を進めていた以前の市政」に戻るのか。それとも以前の市長時代の反省を踏まえ、市民や議会の理解を得ながら「一人で決めず職員とも思いを共有して政策を進める市政」に転換するのか。しっかりと見極めたいと思います。

 また、政策については、大衆迎合するばかりでもダメ、かといって、国の事業をなんでもかんでも取りに行くのもダメ。長期的な展望を持ちながら、国や府へ働きかけ連携することで財源を確保し、自助・共助・公助を確りと考え、限られた財政の中で優先順位をつけながら政策を進めていく。さらに、新型コロナウィルス感染症の影響による公衆衛生や経済の対策は、喫緊の課題であり、長期的な展望の中で優先的に取り組む必要があると考えています。

6月定例会の一般質問

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  • 発言者  : 谷津 伸幸
  • 発言順位 : 5番 
  • 日  時 : 6月24日 午後3時頃~ 
  • 議  題 : コロナ禍でのマニフェスト実現と財政運営について

 

 

私は、選挙において「コロナに負けない!みんなで乗り切る」。その事を訴えて参りました。全国的に非常事態宣言が出されていた中で、夢や将来ビジョンも大切ですが、その前に喫緊の課題である新型コロナウィルス感染症の影響による公衆衛生や経済の対策に、優先的に取り組み、長期的な展望に繋げていく必要があると考えたからです。とはいえ、京丹後市がなんでもかんでも財政支援できるほど財政が潤沢ではないことは、多くの市民が知っている事実です。個人がやるべきこと、地域や会社などで取り組むべきこと、行政でしかできないこと。自助・共助・公助の判断をしながら、優先順位をつけて取り組む。国・府との連携による財政支援を最大限要請した上で、基金を取り崩す、市債を発行するなど、最大限財政出動するべきだと考えています。当然、その間はマニフェストに描いた夢や将来ビジョンを先送りにすることも英断です。最低限そうした財政規律が必要だと思います。

 

こうした観点から、6月定例会では、『コロナ禍でのマニフェスト実現と財政運営について』をテーマに一般質問を行います。

  1. 財政の現状認識
  2. コロナ禍での財政運営の考え方
  3. コロナ禍での市長マニフェストの実効性

以上、3つの論点を考えています。

 

本市の財政状況は、平成29年、30年の災害等の対応もあり厳しい状況にあります。人件費・扶助費や公債費などの義務的経費、道路など公有財産の維持管理・ごみ処分場などの大型建設工事といった投資的経費、止めることのできない特定事業を健全に行うための特別会計や受益者負担を原則とする企業会計への繰出金などの歳出があります。一方の歳入では、使途を制限されない自主財源が約4分の1で残りは国・府や市債に依存する財源です。その依存財源も、交付税の特例措置は終わり合併特例の低減対策基金も令和7年まで。有利な財源としていた合併特例債は令和6年、過疎債は今年度末に期限を迎えます。当然、歳出の抑制は行いつつ財源の確保に全力をあげることは言うまでもありません。第1次中山市政でも前三崎市政でも、その事には十分取り組んできて今があると考えています。

 

一方、公共施設の使用料等の見直しは、合併来16年を経過してもなお見直されていないばかりか、消費税の相次ぐ増税にも据え置いたことから、実質的に議会承認なく値下げされているだけでなく、市外の方が本来負担すべき費用を市民の税金で負担しているのが現状です。第1次中山市政時代に議会からの指摘を受け「消費税10%の際に見直しを検討する」としたものの、前三崎市政での提案では議会の反対多数で、再度先送りされた経過もある。財政運営を考えれば、今後の受益者負担の在り方についても確りと市民に示す必要があると考えます。

さらに、コロナ禍では、多くの市民が利用する公共施設等については、日常管理のガイドラインの見直しに加え、万一、感染者が発生した場合の行動ガイドラインも策定する必要があります。施設管理をしながら、そうした衛生管理を徹底するには、新たな費用も発生することから、その費用捻出のため指定管理料や施設利用料の見直しが必要です。必要な施設として、指定管理等を行っている以上、このことも避けて通れません。

 

先に行なわれた臨時会における質疑等では、中山市長の言われる「前市長時代の反省」は、残念ながら感じられませんでした。

市民の付託を受けた市長のマニフェストは一定の評価を得たモノですが、他方で全てのマニフェストを『了』とした訳でも、全ての市民が中山市政を『了』とした訳でもないことは言うまでもありません。非常事態においては、コロナ対策や生活支援と云われれば議会としては反対しにくいモノです。だからこそ、財政規律については確りとした考え方を持ってブレずに実行して欲しいと思います。

市民や議会の理解を得ながら、市長が一人で決めず職員とも思いを共有し進める市政を本気で実現して頂き、市民・議会・市長をはじめとする職員がOneチームとなって、コロナ危機を乗り越えていきたいと願ってやみません。

そうした想いから6月定例会の一般質問では、全ての政策を左右する財政運営の考え方について、中山市長の考えを質したいと思います。

私の一般質問の中継が、CATVやインターネットでご覧頂けます。

是非、ご覧ください。

 

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2020/06/11 一般質問   谷津 伸幸
タグ:予算決算

市民が輝き地域が輝くまちへ、市長の政治姿勢を問う

 一昨年、「市民の声で、市政刷新!」「リセット京丹後」を掲げ三崎市政が誕生しました。

その後、三崎市長のもと、市民が輝き地域が輝くまちの実現に向けて第二次総合計画の見直しが行われました。また、先の3月定例会では本庁機能集約化についても、増築棟建設から既存建物の活用へと大きく見直され、市政の転換が図られてきました。

 6月定例会の一般質問では、三崎市政の2年間を総括しました。

 

一般質問の要点は以下の3点。

 

「改革」から「経営」へ

 目新しいだけの「改革」ではなくて、行政が真に行うべきかどうかを精査して、真に必要な政策に注力すべきではないか。

 

京丹後市発足の原点である合併協定書をどう考えるのか

 庁舎はじめ様々な公共的施設は、一か所に集約した方が効率的な行政運営となる一方、地域経済に与えるインパクトは大きい。

 合併で目指したまちは一局集中ではなく、住み慣れた地域で安心して暮らせるような、旧六町それぞれの活性化だったのではないか。

 

「市民が輝き地域が輝くまち」グランドデザインは

 庁舎等の跡地活用を含めて、旧六町それぞれの地域をどうしていくのか。自分ごととして何ができるのか。多様な住民サービスを全て行政で賄うことには無理があり、現実的ではない。これからは市民と行政で協働しての住民サービスを提供し、住みやすい地域をつくるべきではないのか。

 

〔 詳細については、以下に記載しています。〕

「改革」から「経営」へ

丹政会(谷津が代表を務める会派)では、前市長から一貫して、以下の視点で要望してきました。

 先ずは、生活基盤を支えるための地域の経済対策。そして、介護や医療など市民の安心・安全の確保。その為に必要な道路などのインフラ整備促進です。また、少子化、人口減少に歯止めを掛けるためには、子育て支援や教育環境の充実により、若い人達が暮らしやすく、ふるさとで安心して子育てできる環境づくりが不可欠だと考えています。

 その一方で、決して豊かとは言えない本市財政に鑑み、喫緊に必要な政策を確実に進めるために、既存の事務事業については、以下の視点で不断の見直しが不可欠です。

  1. ゼロベースで検討。
  2. 行政の担う役割が終了していないか。
  3. 効率、効果、範囲の適正化の追求。

この三つの視点で廃止や整理縮小を検討し、政策の優先順位とプライマリーバランスを堅持して、「改革」から「経営」へ軸足を移した新たな行政経営が必要と訴えてきました。

 

どのような事業がスクラップされたのか

<スクラップ事業>  合計87項目 約3億5918万円

新シルク産業機構の設立、箱石-浜詰砂浜遊歩道の延長、生涯活躍のまち構想検討経費、よしもと京丹後劇場の開催経費、総合窓口案内(峰山庁舎)配置、ビーツスポーツフェスティバル補助金、京たんごスポーツ新聞、わかりやすい今年の予算、企業アイディアコンペ、名古屋事務所運営経費、チャレンジショップ補助金、エコエネルギーセンターの廃止など。

 

<抑制した事業>  合計148項目 約2億8702万円

 

 

平成28年度~平成30年度当初予算までの事業で、財政規模に見合わない事業や効果が見込めない事業などが見直しとなり、成果が十分に検証できない事業などが廃止された。

 

国・府の財源を活用した施策とその進捗状況は

<網野地域内水対策事業>

H28に内ケ森排水区が完成、H29から小栓川排水区に着手。台風18号(平成29.9)災害などで、国へ優先配分の緊急要望を行い、要望通り確保し事業が進捗している。

 

<山陰近畿自動車道整備>

三崎市長が近畿ブロック及び京都府の推進協議会会長に就任し、積極的に国へ働きかけた結果、大宮峰山道路の用地買収に先行して実施する地籍調査について目標通り平成31年に完了の目途がついた。さらに網野ICまでの地籍調査を大幅に前倒し着手できる補助金の配分も受けることができた。

 

<移住支援センター設置>

5月9日に網野町内に丹後暮らし探究舎として開所した。移住支援員2名が常駐している。オープン一ヶ月だが移住希望者等から四十数件の問い合わせがあり、現地案内などの対応をしている。

 

<その他の主な事業>

高校までの医療費無償化、久美浜駅再生プロジェクト、ふるさと魅力発信映像作成、ふるさとバス事業、保護者・教員向けの企業見学ツアーなど予定。

 

厳しい財政状況の中で、国・府の財政を確保することは、財政力が極めて低い本市において必須の課題である。既存制度においては配分額の維持・増額を要望し、新たな制度であっても「事業があるから施策を実施する」ということではなく真に必要な施策を実施するため、常に情報収集に努め財源確保してきた。

 

〔 谷津の視点 〕

 私が言うまでもなく、行政経営の評価指標は利益の獲得ではなく、住民福祉の向上です。

 このような視点から地方行政を仮に民間企業に例えるなら、行政は会員制サービスを提供する会社に例えることができます。市民という会員顧客に対して、住民サービスを提供しています。会費となるのが、税金や受益者が負担する利用料であり、独自のサービスを提供するための財源となります。

 会員数が多ければ提供できるサービスの充実も可能ですが、いくらサービスが多くても、その満足度が低ければ肝心の会員数(人口)を増やすことはできません。ただ、民間企業と違い行政には、ゴミやし尿処理といった環境衛生の保全など、対価が得られないにも関わらず自治体の義務とされる事業があります。

 よく言われる「行政は、民間企業のような経営感覚を持たないといけない」との指摘は、ある意味正しくて、ある意味で誤りだと考えています。

 限られた予算の中で、やるべきこと行い住民満足を得るためには、国・府の補助事業に施策を合わせるのではなく、市民と一緒に創りあげた事業に、国・府の事業を適用させる工夫も必要です。また、一定の役割を終えた事業や市民ニーズの拡張に伴い肥大した事業、時代に合わなくなった事業など、今ある事業についても定期的に見直しが必要です。特に新しい事業を始める場合には、政策の優先順位とプライマリーバランスを堅持し観点からもスクラップ&ビルドが必要です。

 

 

京丹後市の原点である合併協定書
         どう考えるのか

 14年前、独自の価値観や文化を持つ6つの町の特色を残しつつ、一つの新しい市(まち)を創る選択がなされ、本市発足の原点ともいえる合併協定書と新市建設計画が策定されました。

 

現在の新市建設計画はどうなったのか

 現在、京丹後市の最上位計画は総合計画です。総合計画は新市建設計画を元に作成され基本的な部分は引き継がれている。また、合併市町村にのみ認められている合併特例債は、新市建設計画が根拠になることから、新市建設計画は特例債が活用できる間は存続している。但し、新市建設計画は、過疎計画などと同様に施策実施の財源確保のための計画という考えであり、計画に載っていない新たな状況が発生した場合、修正が必要であれば予め知事と協議して、議会の議決を経て変更するものとしている。

 

合併協定書に基づく手続きは必要ないのか

 合併後、旧町ごとに新市市長に提言できる組織として、地域振興協議会が条例で設置された。地域振興協議会条例については、平成19年3月一部改正、所掌事務として市長の諮問に応じて答申すること、提言については必要に応じて行うことに内容を改められた。平成22年3月には地域まちづくり協議会条例が廃止され、新たにまちづくり委員会条例が制定され今に至っている。

 新市建設計画の変更について「あらかじめ地域振興協議会の意見を聴く」となっているが、現在では地域振興協議会はなく、但し書きの「状況の変化があれば、新市において検討し調整する」によって進めてきた。

 

庁舎整備に関する要望書が提出された経緯は

 本庁舎整備再配置は、平成24年度まちづくり委員会の答申に基づき検討が始まった。平成25年の弥栄病院改修に伴う弥栄庁舎取り壊しと市民局移転を進める中で、平成26年の網野庁舎についても、取り壊しと本庁機能の集約について網野区長連絡協議会へ説明。平成27年に庁舎整備検討委員会で集約化基本方針に基づき、峰山庁舎に増築棟を建設する方向で進めてきた。

 三崎市長から既存施設の活用が示され、平成29年12月、網野庁舎別館の耐震調査結果に基づき、商工観光部をらぽーとに緊急移転すること、峰山庁舎に増築棟を建てるのではなく既存の庁舎を活用した集約化へ方針転換が示された。平成30年1月になり、網野区長連絡協議会で庁舎整備にかかる要望書が議論され、2月に市長方針を説明したが、2月23日付で要望書が提出された。

 

網野区長協議会の要望書(要約)

 市役所庁舎整備に関する本庁機能の移転計画を発表されたが、この移転計画については様々な点で問題点があり、特に網野庁舎から本庁機能をなくする点については、決して承服できないところから、網野町区長会の総意として、市長に対して「市役所庁舎移転計画に係る要望書」を提出した。

①網野庁舎の建設部・商工観光部・上下水道部を福祉事務所や大宮庁舎に移転することについて

 本庁機能がなくなることは網野町中心部の活性化やにぎわいの喪失につながり、まちづくりや交流等の面でも悪影響が出ることから、網野町区長会としては絶対に承服することができない。

 人口が最も多い網野町から本庁機能がなくなることは、本市の中心をなす南北軸から外れることになる。第2次京丹後市総合計画でも3町が市街地ゾーンとして位置付けられ、都市計画地域にも指定されている網野町から本庁機能がなくなることは市内の均衡ある発展の方針に反する。

 合併時において網野庁舎に3部を配置した目的は、観光部門は海岸がある町へ、下水道部は整備が一番遅れている町へ、上下水道部と建設部は一緒にいることが効率的であるとの方針から決定されたもので、現在でも変更するべきではない。

 これらの理由から、網野町にこれまでどおり3部を配置することを要望する。

②移転に係る経費について

 市の移転計画では、福祉事務所の後に建設部と商工観光部が入るために、健康長寿福祉部を丹波小へ、大宮庁舎に上下水道部へ移転する計画で、多額の経費が必要となるほか、建設部と離れることになり、市道管理などの面で密接な関係が必要とされる両部の日々の業務に支障や不便が生じることが懸念される。

 代案として、アミテイ丹後と別館(研究開発棟)の改修や増築を行い、上下水道部、建設部、商工観光部が入る庁舎を整備することによって、経費の大きな縮減が図られるものと思っている。また、安価な軽量鉄骨製の建物をアミテイ丹後の敷地内に建設することも一案です。このことで、大宮庁舎や福祉事務所の改修が不要となり、すべての移転に3年間かかるとされている期間も大幅に短縮できる。商工観光部の一時的な「らぽ-と」移転も短期間で済むことから、網野町の住民が強く望んでいる「らぽ-と」の早期使用についても住民の要望に応えることができる。

 

〔 谷津の視点 〕

 庁舎をはじめとする様々な公共的施設を一か所に集約する方が、低コストで効率的な行政運営ができますが、合併で目指したまちは一局集中ではなく、住み慣れた地域で安心して暮らせるような、旧六町それぞれの活性化だったと思います。建物が古いから、効率が悪いから、潰して集約すればいい。という簡単な話ではありません。

 本庁機能が無くなると、100人近い職員が移動することになります。そこそこの規模の企業が地域から撤退するのと同じくらい、地域経済に与えるインパクトがあります。また、隣接する網野幼稚園も31年3月末で廃止されます。地域の拠点となる中心地から活気が無くなることによる地域全体への影響の大きさ。更には、負の連鎖による人口減少。合併の時に危惧されたことが、現実として見えてきたことへの危機感の表れだと思います。

 本庁機能が無くなるという説明だけでなく、これを契機として、庁舎の跡地利用も含めて、この地域をどうしていくのか、自分ごととして何ができるのか。お一人お一人が考え議論することが必要です。

 

 

「市民が輝き地域が輝くまち」
      グランドデザインは

 合併当初に比べて、事務量が過剰になり、職員のマンパワーや財源は不足しています。前市政で広げた様々な事業を精査していかないと、新しいことも始められません。実際に、この2年間で多くの事業を整理統合されましたが、政治は厳しい現実だけでなく、明るい未来を魅せることも必要です。

 将来に希望が持てなくては、親として子どもたちに「帰って来い」と言い難いだけでなく、子どもたちも帰ってきません。「市民が輝き地域が輝くまち」イメージを、市民と共有していくことが大切です。

 

「市民が輝き地域が輝く京丹後」とは  (市長答弁要約)

 第二次総合計画を如何にして具現化するか。「市民と地域がキラリと光り輝くまち」をテーマに、5つの重点項目を掲げ、あるもの探しの視点で、新たなまちづくりのステージの歩みを進める。

 それぞれの地域には自然、歴史・文化、食など、光り輝く地域資源が存在している。先人から引き継いだ素晴らしい資源や宝にあふれているまちを守り、発展させ、次の世代へしっかりと引き継いでいくことこそが、我々の大きな役割であり、市長としての責務と考えている。

 地域力を高め、若者が希望にあふれるまち、京丹後に誇りを持てるようなまちづくりを進めていきたい。

 

京丹後市の将来像、そのグランドデザインは (市長答弁要約)

 まちづくりは、市が独自でできるということではない。行政の仕事としては、民間の活力をいろいろな面で支援できる基盤づくりを先ずは整えることだ。その中で、民間の皆さんが、それぞれの考えで事業に取り組んでいただける。

 現在、山陰近畿自動車道の大宮峰山道路が順調に進んでおり、将来に向けたまちづくり、都市拠点の在り方を検討する時期が来た。この高速道路建設の進捗に遅れないように考えていかなければならない。

 その基本の一つに、都市計画マスタープランがある。大宮峰山ICのあたりのエリアを都市拠点と位置づけ、旧町の6つの市街地を地域拠点と位置付けている。一方で、地域拠点を構成する旧町のエリアの中には、過疎化や高齢化が進行し、集落自治の維持・継続が困難な状況にあり、地域集落が有する様々な機能を補完し合うような持続可能な地域づくりの仕組みを進めている。将来的には、都市拠点と地域拠点を交通インフラでネットワークで繋ぎ、地域全体が賑わっていくまちづくりを進めていきたい。また、森本工業団地への問い合わせも出てきて、具体的に進めて頂ける状況にある。山陰近畿自動車道を早く先に進めていくことが、事業者の皆さんが経営を継続的に発展させて頂ける大変重要なものであり、それと合わせて持続可能な地域づくり、まちづくりを進めていくことが必要である。

 これから市の人口は恐らく人口推計でいくと、どんどん減ってくる。高齢化で担い手が不足して、自治機能が弱体化してくる中で、お互いに協力関係を構築しなおすことが必要である。ハードの基盤整備は当然、市で取り組むべきことだが、今まで行政で賄ってきた市民サービスが出来かねるようなところが出てくるかもしれない。おそらく職員は減ってくる。であるならば、どうするのかということで、いま持続可能な地域づくりを進めている。 

 制度としては、市が介護などは保険者としてやっていくが、制度からはみ出る部分、市ではできない地域でしかできない部分が今でもあり、その分担をお互いに協力関係をつくっていく。それが持続可能な地域であり新しい市政である。地域で補完しながら、その地域に住み続けていく。新しい形態として、市と地域住民が協働という対等の立場で、ソフト的な基盤をうまく組み合わせることが必要だ。お互いがお互いの立場を認識し合い、出来ることはそれぞれの立場でやっていく。ということをしていかなければならない。そうすれば、住み慣れた地域で生活し、子育てもして、安心して暮らせる。

 

〔 谷津の視点 〕

 京丹後市は、他の市町と比べても、地域の自治会活動だけでなく、様々な団体が地域振興や活性化などの取り組みが自発的になされています。こうした現状も踏まえ、私は「民間ができることは民間で、市民ができることは市民で、地域ができることは地域で、それでも出来ないことは行政と一緒にすべき」と考えています。

 多様な住民サービスを全て行政で賄うことには無理があり、現実的ではありません。これからは市民と行政で協働しての住民サービスを提供し、住みやすい地域をつくるべきではないかと考えています。

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2018/06/29 一般質問   谷津 伸幸
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